交通事故にあってしまったら
交通事故に遭ってしまった場合の対応について説明します。交通事故では、予期しないタイミングで激しい衝撃を受けるため、ケガの内容や症状の出方が独特です。事故直後はアドレナリンの影響で痛みを感じにくく、数日後に痛みが現れて悪化することが珍しくありません。特に注意が必要なのは「むち打ち症」です。むち打ち症では、事故当日に症状がなくても、数日後から痛みや違和感が生じ、日を追うごとに悪化することが多いです。このため、交通事故後は痛みや違和感がなくても整形外科を受診することが重要です。
事故後にこのような症状はありませんか?
- むち打ち症
- 手足の痺れや麻痺
- 体を動かしにくい
- 吐き気
- 頭痛
- 関節のこわばり
- 背中・肩・腕・腰・腰の痛み
など
治療費と自賠責保険
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、公道を走行する自動車やバイクに加入が義務付けられている強制保険です。この保険により、交通事故の被害者は加害者の経済状況に関係なく、最低限の補償を受けることができます。
交通事故のよくある質問
被害者は治療費を払う必要がありますか?
被害者は、自賠責保険の手続きを行うことで治療費を支払う必要はありません。自己負担0なしで治療を受けることが可能です。ただし、示談が成立している場合は例外です。
通院のために必要な手続きを教えてください。
保険会社に「当院の名称と連絡先」、および「当院で治療を受けること」を電話で伝えてください。保険会社が当院に連絡をすると、窓口負担0円で受診が可能となります。保険会社への連絡がない状態での受診は自費診療となり、保険会社からの連絡を受けた時点でご返金いたします。
交通事故治療の途中に転院できますか?
転院は可能です。事前に保険会社へ「当院で治療を受ける」旨と「当院の名称および連絡先」を伝えていただくとスムーズに手続きが進みます。
事故から数日してから症状が出ましたが受診できますか?
もちろん可能です。交通事故では数日後に症状が現れることがよくあります。早めに受診することでスムーズに手続きが可能ですので、症状がなくても事故当日の受診をお勧めします。
軽い違和感でも受診した方がいいですか?
交通事故によるケガは、当日に症状がほとんどなく、数日後に痛みが現れて悪化することが多いです。受診が遅れると、症状と事故との因果関係が曖昧になり、自賠責保険による治療を受けられなくなる場合があります。違和感程度でも早めの受診が重要です。
診断書などの証明書も発行していますか?
はい。当院では、交通事故に関する各種の証明書を作成しています。警察への届け出や保険手続きに必要な証明書もご用意できますので、ご相談ください。
整形外科と整骨院・接骨院の治療に違いはありますか?
整骨院・接骨院では医師による診察、診断、薬物療法を受けることができず、X線撮影などの検査も行えません。そのため、骨の異常や重症度の正確な判断が難しいです。整形外科は、整骨院・接骨院から依頼を受けて、X線検査や診断などを行うことも少なくありません。また、治療費を打ち切る旨が保険会社から伝えられた場合、当院では医師が治療の必要性を判断し、継続治療が必要な場合は保険会社に伝えます。当院では整形外科専門医と理学療法士が連携し、リハビリテーションを含めたトータルな治療を行っています。
治療費、補償費、慰謝料について教えてください。
保険会社から支給される治療費が打ち切られるまでは、患者様の窓口負担はありません。補償費や慰謝料は、後遺症診断書を基に支払われるべき補償費と慰謝料が提示されます。
労災について
労災(労働災害)は、「業務中に生じた災害」に加えて「通勤中に起きた災害」も含みます。労災によって労働者が負傷したり、疾病にかかったり、障害が残ったり、死亡した場合には労災保険の対象となります。この制度により、被災した労働者本人またはその遺族に給付金が支給されます。当院は労災保険指定医療機関であり、労災保険法に基づいた治療を提供しています。
業務中に起きた災害
労働基準法では、業務上の災害に対して使用者が療養補償などを行うよう義務付けています。労災は労働者が働いている際にその業務を原因として生じた災害を指し、正社員、パート、アルバイト、派遣社員も含まれます。労働者の不注意や落ち度の有無や程度にかかわらず、業務と災害に因果関係が認められさえすれば、労災保険の対象です。対象や因果関係をしっかり確認することが重要です。
通勤中に起きた災害
労災には、通勤中に起きた災害も含まれます。自宅と職場間の往復だけでなく、職場から別の職場への移動も対象です。移動中に商業施設での買い物やトイレを使用するなどの寄り道も通勤中の災害に該当します。厚生労働省では、医療機関への通院の途中にあった事故のほか、通勤中に日用品を購入するために立ち寄った先での事故、業務に関するスキルアップのための通学などでの事故も含めています。ただし、通常の経路から大きく離れた場合や、通勤や業務と関連性が薄い行為には労災保険が適用されません。
労災のよくある質問
初診時に持参するものはありますか?
労災の初診時には、会社から「5号用紙」という書類を受け取っていただき、ご持参ください。公務員の場合は「診療依頼書」をお持ちください。緊急性が高い場合はまず受診し、自費診療の治療費をお支払い頂き、後日書類をご持参された際にご返金いたします。
治療費の自己負担はないのですか?
必要書類を初診時にご持参いただければ、治療費の自己負担はありません。もし初診時に必要書類がない場合は、窓口で自費診療の治療費をお支払いいただき、後日書類をご持参いただいた際にご返金いたします。
業務中に不注意が原因で事故を起こした場合、労災保険は適用されますか?
労働者の不注意やミスによって生じた事故でも、業務と災害に因果関係が認められれば労災保険が適用されます。会社側に過失がない場合でも、労災保険は適用されます。
治療を受けられる期間にルールはありますか?
傷病の症状が安定し、医学上一般に認められた医療を行っても効果が期待できなくなった状態で、労災保険による治療は終わりとなります。
後遺障害診断書はどんな書類ですか?
後遺症の有無や程度を判断するための書類であり、障害補償の審査結果を左右します。当院では正確な治療状況が伝わるよう、最新の注意を払って作成しています。