打撲
打撲は、強い衝撃により皮膚下の組織が損傷し、内出血を伴う状態です。一般的には湿布を使い、包帯で圧迫し固定することで、1〜2週間程度で自然に回復します。ただし、関節周辺に打撲がある場合、関節の動きによってさらに損傷が進む可能性があります。自己判断で放置すると、回復が遅れたり後遺症が残ることがありますので、早期の受診をお勧めします。
捻挫・靭帯損傷
捻挫は、スポーツや歩行中に転倒したりつまずいたりして、足や膝、手首などの靭帯や筋肉、関節包が損傷する状態です。軽度の場合は、痛めた部位を安静にし、湿布で冷やし、テーピングやサポーターで固定します。しかし、痛みや腫れが強い場合は、靭帯などの深部組織の損傷が考えられますので、速やかに専門医に相談することが重要です。
肉離れ
肉離れは、スポーツや急激な動作によって、ふくらはぎや太ももなどの筋肉に痛み、腫れ、内出血を伴う状態です。筋膜や筋肉組織が損傷したり、重度の場合は断裂することもあります。痛みや体重をかけた際の激痛が続くことがあります。治療には、サポーターやギプスでの固定、リハビリテーションが必要です。放置すると、最悪の場合は歩行困難になることもあるため、早めに専門の医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
肩関節周囲炎は、肩関節の周辺に炎症が生じ、腕を上げることが困難になり、夜間に痛みで眠れないことがあります。40代から50代の中高年層に多く見られるため、「四十肩」や「五十肩」と呼ばれます。放置すると肩の可動域がさらに狭くなり、腕をまったく上げられなくなることがあります。年齢によるものと軽視せず、早期に専門の治療とリハビリテーションを受けることが重要です。
頚椎症
頚椎症は、過労や加齢が主な原因ですが、最近ではスマートフォンやパソコンの使用による長時間のうつむき姿勢が影響し、若年層でも症状を訴えることが増えています。主な症状は、首筋から背中にかけての痛みや張りで、肩こりに似た状態が続きます。また、頚椎を通る神経に障害が起こると神経根症が発生し、手や足に痺れや麻痺が見られることもあります。
治療法は、消炎鎮痛剤の服用や注射、リハビリテーションです。
坐骨神経痛・腰椎椎間板ヘルニア
坐骨神経痛は、腰から膝にかけて伸びる坐骨神経が圧迫されたり傷ついたりすることで、腰から足先にかけてしびれや痛みが生じる症状です。坐骨神経痛は単一の病気ではなく、さまざまな病気が原因となることがあります。例えば、腰部の椎間板が変性して神経を圧迫する「椎間板ヘルニア」や、脊柱管が狭くなり神経が圧迫される「腰部脊柱管狭窄症」などが挙げられます。
進行すると歩行困難や排尿異常を引き起こすことがあります。腰や足にしびれを感じた場合は、早期に専門の医療機関を受診することが勧められます。
腰痛
腰痛は、筋膜性腰痛症、腰椎分離症、変形性腰椎症、腰椎すべり症など、腰部の骨や筋肉に関連する問題が主な原因ですが、内臓疾患や婦人科疾患、精神的なストレスなど、他の要因が影響する場合もあります。腰痛の治療は、原因に応じたアプローチが必要です。年齢や疲労感で我慢せず、正確な診断と適切な治療を受けることが重要です。
腱鞘炎
腱鞘炎は、指や手首を動かす際に痛みやひっかかりを感じる状態です。主な例として、手首の親指側が痛む「ドケルバン病」や、指の付け根でひっかかって痛む「ばね指」があります。適切な治療を行わないと、指が曲がったまま動かなくなる可能性があるため、早めに専門医に相談することが推奨されます。
痛風
痛風は、尿酸という代謝物が血液中で増加し、結晶化して関節に溜まることで激しい痛みを引き起こす疾患です。主に足の親指のつけ根や膝関節に痛みが生じます。痛みは一時的に治まりますが、尿酸値が高い状態が続くと関節に損傷を与え、腎臓などの合併症を引き起こすことがあります。
治療には、痛みを和らげる薬物や尿酸値を下げる薬、食事療法があり、合併症を予防するためには早期に治療を開始することが大切です。