エクソソームとは
人間の体は、無数の細胞が集まって構成されています。各細胞の中にはさらに小さな物質が存在し、その一つがエクソソームです。エクソソームは、細胞から放出される極めて小さなカプセルのようなもので、内部には様々な情報が詰まっています。
細胞同士の情報伝達は、このエクソソームを介して行われています。例えば、体性幹細胞が分泌するエクソソームには、血管や皮膚の再生を促進する情報が含まれています。また、間葉系幹細胞（MSC）由来のエクソソームは、最近の研究でMSCの治療メカニズムにおいて重要な役割を果たしていることが明らかになっています。このため、学術論文でも多く取り上げられ、注目を集めています。
エクソソームを利用した治療の例
- 神経系疾患
- 皮膚系疾患
- 整形外科的疾患
- 美容、アンチエイジング
- 消化器系疾患
- その他
エクソソームに期待される効果
- 自己修復機能の促進
- 自己修復機能の活性化
- 痛みの緩和
- 炎症の抑制
治療の理論（関節疾患の場合）
幹細胞から分泌される有効成分を集めて活性化し、患部に注入すると、体の自己修復力が高まります。これにより、新しい血管が形成され、細胞が集まって組織の再生が促進されます。さらに、立体構造の足場が作られ、損傷部位に必要な要素が集中します。物理的な刺激を加えることで、その部位に適した強度と物性を持つ組織が形成されます。
エクソソームは、損傷した関節の環境を健康な状態へと近づける効果が期待されています。エクソソームに含まれる成長因子は、炎症を抑え、軟骨を保護することで痛みを軽減します。
当院が提供するエクソソーム療法
当院のエクソソーム療法には、細胞や血管の生成を促進し、炎症を抑える成長因子が豊富に含まれています。
使用するエクソソーム含有ヒト幹細胞培養上清液は、健康な20〜30代の日本人女性から採取された脂肪から抽出され、厳密なウィルス検査をクリアした原材料のみを使用しています。すべて国内で製造され、複数の品質検査を経ています。
治療に使用するのは幹細胞そのものではなく、幹細胞を培養し、その培養液から幹細胞や不純物を取り除いた上澄み液です。
上澄み液に含まれる間葉系細胞（MSC）由来のエクソソームは近年MSCの治療メカニズムにおいて重要な役割を担うことが多くの学術論文で報告されています。
個人を特定できるDNAは完全に除去されているため、拒否反応が非常に少ないとされています。
また、日本臨床培養上清液研究会の安全性評価委員会で最高評価の「A評価」を取得しています。
エクソソーム療法の種類
骨髄由来のエクソソーム
骨髄由来のエクソソームは、骨の中心部から抽出された幹細胞から生成されます。主に脊髄損傷や血液関連の疾患の治療に利用されますが、骨髄からの採取は痛みを伴い、手間がかかります。そのため、厚生労働省が使用方法に関するガイドラインを設けています。
臍帯由来のエクソソーム
臍帯由来のエクソソームは、強力な抗炎症作用や疲労回復に効果が期待されます。しかし、採取経路が不明確なため、安全性に関する確保が難しい点があります。現在、日本では主に韓国製の製剤が流通しています。
脂肪由来のエクソソーム
脂肪由来のエクソソームは、多くの研究が行われており、特に美容や再生医療の分野で高い効果が報告されています。日本で使用される脂肪由来の幹細胞は、主に欧米の検体ラボから調達されたものが多いですが、ドナーの国籍が不明なため、採取経路と安全性の確認が課題となることがあります。
歯髄由来のエクソソーム
歯髄由来のエクソソームは、歯の神経部分から採取され、非常に安全性が高いとされています。歯髄細胞は、硬い歯の層に守られているため、遺伝子の損傷が少なく、癌になるリスクも低いとされています。また、採取が簡単で身体的負担も少なく、安全に行えるのが大きなメリットです。しかし、年齢とともに細胞数が減少するため、若い細胞からの採取が求められます。
費用
| 内容 | 費用 |
|---|---|
| エクソソーム療法 |
30,000円/1回 |