手や指の症状
- 手が痺れる
- 手がこわばる
- 指が曲がったまま伸ばせない
- 手が動かしにくい
- 指に痛みがある
- 手首が腫れている
- 指が痺れる
手や指の症状を起こす主な疾患
へバーデン結節
へバーデン結節は、手指の第一関節(DIP関節)の形が変わり、曲がって痛みを生じる疾患です。第一関節の手の甲側にこぶが現れる場合があります。発症の原因は明確ではありませんが、加齢や手や指を頻繁に使う仕事をしている人に多く見られます。
具体的な症状として、手指の第一関節が赤く腫れ、曲がることで痛みが生じます。また、第一関節付近に水ぶくれのような出っ張り(ミューカスシスト)ができることもあります。
母指CM関節症
母指CM関節症は、親指の付け根部分にあるCM関節の軟骨がすり減り、安定性が失われることで、物を強くつかむ動作や摘まむ動作で痛みが生じる疾患です。発症の原因としては、加齢や女性ホルモン(エストロゲン)の減少が挙げられます。エストロゲンの減少により、関節の柔軟性が低下し、軟骨がすり減りやすくなります。特に更年期の女性は注意が必要です。
具体的な症状として、親指の付け根部分に痛み、腫れ、こわばりが見られます。また、物をつかんだり握ったりする時に力が入りにくくなり、指を動かしづらくなります。関節が変形し亜脱臼を起こすこともあります。例えば、更年期の女性が瓶の蓋を開ける時に親指の付け根に痛みを感じ、力が入らない場合、母指CM関節症が疑われます。
肘部管症候群
肘部管症候群は、肘の内側を通る尺骨神経が障害を受けることで発生する症状です。発症の原因は多岐にわたり、加齢による骨の変形、肘の骨折による後遺症、ガングリオンなどのできものが尺骨神経を圧迫することなどがあります。また、幼少期の肘の骨折が後に尺骨神経の引っ張りを引き起こす場合もあります。
初期段階では、小指と薬指の半分にしびれが現れます。進行すると、小指の付け根や親指と人差し指の間などの筋肉が痩せ、筋力低下が起こります。さらに、かぎ爪変形と呼ばれる変形症状が現れることがあります。これにより、「指を揃える」「小銭を取る」「箸を持つ」といった日常動作が困難になります。
手根管症候群
手根管症候群は、親指から薬指にかけて痛みやしびれが生じる疾患です。手のひらの付け根には手根管という管があり、ここには正中神経と9本の腱が通っています。腱を覆う膜や腱の連結部に炎症が起こると、正中神経が圧迫され、しびれや痛みが発生します。
具体的な症状としては、小指以外の指に痛みやしびれが出る、夜間や早朝に痛みやしびれが強くなる、手を動かすと痛みが和らぐといった特徴があります。例えば、夜中に親指や人差し指の痛みで目が覚め、手を振ると痛みが軽減する場合は手根管症候群が疑われます。
ばね指(弾発指)
ばね指は、筋肉と骨を結ぶ腱が通る部分である腱鞘に炎症が起こり、指の付け根に痛みが生じる疾患です。放置すると腱鞘が腫れ、腱がうまく動かなくなり、ばねのような動きが出現します。原因は、ホルモンバランスの乱れ、糖尿病の合併症、指の使いすぎなどが考えられています。
初期段階では、指の付け根部分に痛みや腫れ、熱感が現れます。進行すると、腱鞘の腫れによるばねのような動きが見られ、重症化すると指が動かなくなることもあります。例えば、家事をする主婦が指の付け根に痛みを感じ、指を曲げた後にまっすぐに戻す際にばねのような動きをする場合はばね指が疑われます。
手首の症状
- 前腕の手の甲側(手首よりやや肘に近いところ)が痛み、腫れている
- 転んで手をついた後、手首が痛み、腫れている
- 日ごろから手や手首をよく動かし、心当たりがないのに手首が痛い
- 手首にしこりができている
- 親指を曲げると、手首の親指側が痛くなる
- 手首が痛い
- 転んだ後、手首の小指側が痛くなった
手首の痛みを起こす主な疾患
ドケルバン病
ドケルバン病は、親指を広げると手首の親指側に腱が浮かび上がる症状が特徴です。これは、短母指伸筋腱と長母指外転筋が手首の背側にある手背第一コンパートメントを通る部分で起こる腱鞘炎です。具体的な症状として、手首の親指側に痛みや腫れが見られ、親指を動かすと痛みが増します。例えば、赤ちゃんを抱く母親や、頻繁にスマートフォンを操作する人がこの症状を訴えることが多いです。
橈骨遠位端骨折
橈骨遠位端骨折は、手のひらをついて転倒した際や、自転車やバイクからの転倒で発生することが多い骨折です。前腕の橈骨が手首近くで折れることで発生します。特に閉経後の中年女性は骨粗鬆症のため骨が脆く、簡単に折れてしまうことがあります。若い人でも高所からの転落や交通事故で強い力が加わると発生します。
症状として、手首に強い痛みと短時間での腫れがあり、手のひらをついて転倒後にはフォークを伏せて置いたような変形が見られます。手がブラブラとした感じになり、力が入らないため、反対側の手で支える必要があります。また、折れた骨や腫れによって神経が圧迫され、指がしびれることもあります。
TFCC損傷
(三角線維軟骨複合体損傷)
TFCC損傷は、手関節に強い衝撃が加わることや、過度な負荷をかけ続けることが原因で発症します。野球やテニスなどのスポーツが原因で発症するケースが多く、転倒や作業による外傷でも発生します。また、老化による変性や、尺骨が橈骨に対して長くなることで外傷がなくても発症することがあります。症状としては、手関節の尺骨側に痛みが現れ、ドアノブを回す動作や手首をひねるスポーツに支障をきたします。例えば、テニス選手が試合中に手首の尺骨側に痛みを感じ、ラケットを握るのが困難になる場合があります。
ガングリオン
ガングリオンは、ゼリー状の物質が詰まった腫瘤です。特に手関節背側(手の甲側)にできるガングリオンが一般的です。このタイプは手関節の関節包とつながっており、その他にも親指側の手のひらや指の付け根の腱鞘部にも生じることがあります。
ガングリオンは、手首の関節周辺や腱鞘のある部位に米粒大からピンポン球大の腫瘤として現れます。特に手首の甲にできることが多いです。腫瘤は大きさが変わることがあり、硬さも硬いものから柔らかいものまで様々です。多くの場合、無症状ですが、神経の近くにできると神経が圧迫されて痛みやしびれ、運動麻痺が生じることがあります。また、手を酷使すると腫瘤が大きくなることがあります。