足底板療法(インソール療法)

足と靴の外来とは

足と靴の外来とは
足は生まれてからずっと身体を支え、歩行を担っています。これからもあなたを支え続ける足ですが、靴が当たって痛い、魚の目ができる、足が疲れやすいなどの軽い症状があると、何とか我慢してしまいがちです。しかし、この時点で足の障害や疾患は既に存在し、徐々に進行することが多いです。
そのため、早期に足のケアや治療を開始することが重要です。当院では、医師、靴とインソールの専門家、理学療法士が連携して治療を行っています。日常の足のケアのための運動指導や、完全オーダーメイドのインソール(中敷き)の作成も行っています。インソールは作りっぱなしではなく、定期的な検診を行い、必要に応じて調整します。

このような症状はありませんか?

  • 魚の目、タコ
  • 外反母趾、内反小趾
  • 偏平足、内反足
  • 足や足底の痛み
  • どんな靴を買っても靴が当たって痛い
  • ふくらはぎの痛みや疲れ
  • 膝の内側の痛み
  • 靴がすぐにすり減る
  • シンスプリント
  • O脚

これらの症状は、インソールを使用することで改善または緩和されることがあります。インソールを履いて生活すると、骨盤の傾斜が変わり、腰痛が改善することもあります。

このような方におすすめ

足が痛い・変形のある方

足が痛い・変形のある方
足の痛みには関節炎や筋膜炎などの炎症が原因であることが多いです。このような足病の方は、歩行時に地面からの力(床反力)が特定の部位に過度にかかるため、除圧や骨格矯正、歩行ガイド機能が必要です。医師による検査の結果、除圧が必要と判断された場合、手術による骨格の矯正、筋力向上や可動域を広げるためのリハビリテーションの治療、装具による矯正が適応されることがあります。

歩くと転びやすい・疲れやすい方

筋力の低下は骨格のバランスを崩し、転倒やつまずきの原因となります。足底装具は地面との接地面積を増やし、バランスを向上させます。また、関節を固定するタイプの装具はぐらつきを減らし、正しい骨格位置に矯正することで全身の姿勢を改善し、重心位置を補正します。これにより、歩行時の筋力が分散され、疲れにくくなります。

子供の足の変形

子供の足は14歳ごろまでに骨化が進み、軟骨から大人の骨に成長します。この時期の足は軟骨が多く、柔らかくて変形しやすいです。狭い靴やスポーツによる負担で足部が変形しやすく、大阪大学の研究では小学生の40%以上に足部の変形が見られると報告されています。子供の足装具は、過度な変形を矯正し、ニュートラルポジションに近い足の形を形成する上で重要な役割を果たします。

足底板(インソール)治療について

足底板(インソール)は、靴の中に入れて使用することで迅速に足部へのサポートが可能になる装具です。以前は、単に足底の形状を測定し、コルクなどを加工して除圧を目的としたものでした。しかし、最近のインソールは形状記憶合金ともいうべき合成樹脂を使用して作られています。この素材は柔軟性と反発力を兼ね備えています。

足底板(インソール)の作製

足底板(インソール)の作製
足部にかかる圧力を除圧するために、インソールの柔軟性が役立ちます。また、歩行時には反発力を利用して足底の筋力低下を補います。インソールが足部への負荷を分散することで、膝や股関節、脊柱への負荷も減少し、身体全体の効率的な使い方が回復されます。
インソールの作製には、医師の適切な診断と、それに基づく装具士の高度な技術が必要です。さらに、理学療法士による歩行動作や姿勢の改善が求められます。治療経過の中で、微妙な調整を要することもあります。足の痛みや歩行の問題でお困りの方は、ぜひ当院にご相談ください。