膝の症状
- 膝が曲がらない
- 膝が痛くて歩けない
- 膝をまっすぐ保てない
- 股関節がうまく曲がらない
- まっすぐ膝を伸ばせない
- 運動で膝が痛む
- 少し休むと痛みが治まる
- ガクッと膝が折れる
- 歩くたびに膝が痛む
- 膝に水が溜まり変形している
- 膝が痛くて正座できない
- 膝から力が抜ける
- 膝が不安定で階段が怖い
- 膝の皿の下に骨が出ている
など
膝の痛みを起こす主な疾患
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が加齢とともに摩耗し、骨に直接負担がかかることで痛みや炎症、骨の変形が生じる疾患です。外傷、筋力低下、肥満、遺伝も原因となり、進行すると歩行困難になるため早期治療が重要です。初期段階では階段の昇り降りや立ち上がる際に膝の痛みが現れ、悪化すると平地を歩くことでも痛みが生じ、膝のだるさや腫れ、しゃがむことや正座が難しくなります。症状がある場合は専門医の診察を受けることをお勧めします。
膝靱帯損傷
膝靱帯損傷は、スポーツ外傷や交通事故などによって強い力が膝にかかると発生します。内側側副靭帯や外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯が損傷し、特に内側側副靭帯の損傷が最も多いです。複数の靱帯が損傷することもあります。前十字靱帯は膝関節の中にあり、大腿骨と脛骨を結び、スポーツや事故で損傷すると膝が不安定になり、動作に支障が生じます。例えば、「ジャンプ後の着地で膝をひねる」「過度な膝の曲げ伸ばし」などが原因です。靱帯が切れると、元に戻すのが難しく手術が必要になる場合もあります。
受傷後3週間の急性期には膝の痛みと可動域制限が見られ、腫れ(関節内血腫)が目立つこともあります。急性期を過ぎると痛みや腫れ、可動域制限は軽減しますが、損傷部位によっては膝の不安定感が徐々に目立ちます。特に下り坂やひねり動作で不安定感がはっきりし、放置すると半月板損傷や軟骨損傷が発生し、慢性的な痛みや腫れ(水腫)が現れます。
半月板損傷
半月板損傷は、スポーツや加齢による膝の疾患です。若い人では、体重がかかった状態でのひねりや衝撃が原因で、半月板が損傷しやすく、前十字靱帯損傷と合併することもあります。40歳以上では加齢に伴い半月板が変性し、軽い外傷でも損傷しやすくなります。損傷の形態は変性断裂、水平断裂、縦断裂、横断裂など様々です。放置すると関節軟骨にも影響を与え、さらなる痛みや損傷を引き起こす可能性があります。
具体的な症状として、膝の曲げ伸ばし時に痛みや引っかかりを感じることがあります。重度の場合、膝に水(関節液)が溜まり、「ロッキング」と呼ばれる膝が突然動かなくなる状態が発生し、歩行が困難になることもあります。
オスグッド病
オスグッド病は、膝の下にある脛骨粗面(膝蓋骨の下部分)が過度の負荷により隆起し、痛みや腫れが生じる疾患です。特にスポーツに熱中している小・中学生に多く見られます。成長期の子どもは軟骨が柔らかく、弱いため、繰り返しのストレスで軟骨が剥がれやすくなり、それが痛みや腫れの原因となります。
初期段階では、運動時に膝に痛みを感じ、休息を取ることで痛みが一時的に和らぐことが多いです。この時点で整形外科を受診することが重要です。進行すると、膝蓋骨の下の骨が突出し、周辺が赤く腫れ、熱を持ち、痛みが強くなります。早期に安静を保つことが回復の鍵となりますが、安静が難しい場合や放置して悪化した場合には、装具療法や手術が必要になることもあります。
膝蓋腱炎
膝蓋腱炎は、膝蓋骨(しつがいこつ)と脛骨の間にある膝蓋腱が激しい動作によって繰り返し損傷し、炎症と痛みを引き起こす疾患です。バレーボール、バスケットボール、サッカー、走り高跳びなどのスポーツで頻繁に見られます。膝の前部に痛みが生じるのが特徴です。
初期段階では、膝蓋骨の下に痛みが生じます。最初は運動開始時や特定の動作の際に痛みを感じますが、進行すると運動中常に痛みが発生します。重度になると、階段の昇り降りや椅子からの立ち上がりなどの日常動作でも痛みが現れます。
最近では、「PRP療法」や「集束型体外衝撃波治療」が膝蓋腱炎に対して有効とされており、当院でも積極的に導入しています。
鵞足炎
鵞足炎は、膝の内側に痛みが生じる疾患です。鵞足とは、縫工筋、薄筋、半腱様筋が集まる部位で、この部分に炎症が起こります。ラグビーやサッカー、アメリカンフットボールなどのスポーツや、水泳の巻き足などでよく見られます。特に新学期が始まる4~5月や、大会前でトレーニング量が増える時期に発症しやすいです。
運動後、膝下内側の鵞足部に痛みが生じます。重症化すると安静時にも痛みが続き、日常生活に支障をきたします。階段の昇り降りが困難になることが多いです。